学部長メッセージ

桐田隆博 社会福祉学部 学部長

桐田隆博
社会福祉学部 学部長

 困っている人が身の回りにいる場合、誰しもなんとか力になりたいと思うでしょう。ただし、困っている内容によっては、誰でも力になれるとは限りません。たとえば、道に迷っている人と遭遇した場合は、目的の場所や建物を知っている人であれば誰でも言葉や地図を用いて教えることができます。時間に余裕があれば、実際に目的の場所まで連れて行くこともできます。一方、失業して経済的に困っている人に対してはどうでしょうか。お金を融通することで一時的に問題が解決したとしても、再び同じ状況に戻ってしまうこともあります。それでは、安定した収入が得られる仕事を探すことを手伝うことはどうでしょうか。運良く仕事が見つかったとしても、その人は仕事をすぐ辞めてしまうかもしれません。経済的に困っていることは表面的な問題であり、実際には、その人は仕事を続けること自体に何らかの問題を抱えているのかもしれません。この場合、問題を解決するためには、まず、その所在を正しく捉えることが必要となります。問題解決のための支援には、誰でもできる支援と、その問題とそれを取り巻く状況を正しく理解し、かつ、問題解決に利用可能な制度や方策に精通した専門家にしかできない支援があります。

 日常生活において問題を抱えている人々の支援に必要な専門的な知識を体系的に学び、具体的な援助技術を実践的に修得する場が社会福祉学部です。社会福祉学部には二つの学科があり、それぞれ、人々が日常生活で直面する問題を定位する枠組みに特徴があります。社会福祉学科においては、人々が直面する問題を、主として個人や家族、職場や身近な共同体、そして自治体や国といった異なる社会水準で捉え、それぞれの水準において具体的な支援の手立てや支仕組みを考え、実際の支援で必要とされるスキルを学びます。これに対して、人間福祉学科においては、人々が抱える問題を、主として個人の内面や対人関係、そして生涯発達の枠組みの中に定位し、問題解決に向けた支援の方法と技術を学びます。

 どちらの学科で学ぶにしても、支援を求める当事者の視点が最も大切であることはいうまでもありません。学内の教員や学生との関わりだけでなく、広く視野を学外にも向けて、様々な人々との出会いと交流を通して、体験的にその視点を身につけていきましょう。

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