岩手県立大学 社会福祉学部 岩手県立大学 社会福祉学研究科

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学部長メッセージ

中谷 敬明
中谷 敬明
社会福祉学部 学部長

 人間は社会を構成し、様々な活動を協働して行っています。多種多様な存在の人間が同じ目標に向けて行動するため、明示的・暗示的な約束事がつくられてきました。長い経緯の中で、この約束事は多くの変遷を経て、今に至っています。この約束事のひとつに、社会福祉の実現があります。
 皆さんは、社会福祉の実現とは、どのような目標と思いますか。この問いに取り組むには、対象、手続や手段といった方法に加えて、実現したいと思い描いている社会福祉の姿を具体的にイメージする必要があるでしょう。そして、自分のイメージを相互に伝達・確認しながら、協働するための約束事を決めています。
 3年前(2021年)の日本を思い浮かべてください。新型コロナウイルス感染症が国内で蔓延し、全国で感染への不安と心配が高まっていました。国民全てが同じ思いを抱えながら、日常生活の困難に取り組んでいた時でした。育児中の家庭、単身赴任や単身親など個別事情のある家庭、疾病や怪我によって療養中の方々、障害をもっている方々、経済的に困窮している方々の日常生活は、多くの場面で影響を受けざるをえませんでした。
 多種多様な考え方と価値観、人生観をもつ人々が協働して取り組むのが、社会福祉の実現です。社会福祉の学習は、社会福祉に直接関係する分野から社会全体まで、人間の生活と密接に関係する学問を、社会福祉の観点で学ぶ過程といえるでしょう。
 本学部には、社会福祉学科と人間福祉学科のふたつの学科があります。社会福祉学科では、個人や家族といった基本的生活集団、職場や地域といった身近な生活集団、そして自治体や国といったより広い社会という異なる階層で人間の生活を捉え、それぞれで必要とされるスキルを学びます。人間福祉学科では、人間の生涯を心身両面から理解する素養を学修し、その素養の上に、発達の各段階で人々が直面する課題への支援に必要なスキルを身に付けます。
 どちらの学科でも、他者との交流を通して主体的に学ぶ姿勢が求められます。多様性の尊重が重視されている現代では、価値観の違いを認めつつ、協働して課題解決に取り組むことが必要です。学生同士や教員との関わりの経験から、自分の長所と課題、そして、新たな自分を追求してください。
 ところで、令和6年度入学生から、学科選択が2年進級時に変わります。この変更は、学部教員の専門性と研究内容、両学科の特徴を理解した後に、学生が主体的に自分の学習企図を実現できる学科選択を行うことを目的としています。この選択には、卒業後のキャリア計画も含まれています。未知の知識や専門領域に出会い、新たな学習を企図する学生の機会になることも期待しています。