修了生メッセージ
議論を重ねてより研究を深める
楽しさを知ることができる環境
佐々木 真実さん
盛岡市社会福祉協議会 勤務
社会福祉学研究科
博士前期課程(総合福祉コース)
2015年3月修了
私は、本学の社会福祉学部時代に尊敬する先生のもとで学んだことで、論文を書くことや議論することの楽しさを知り、大学院への進学を決めました。また、ゼミ内の縦のつながりがあったため、大学院の先輩方との交流機会があり、より具体的に進学のイメージが出来ていたことも大きかったと思います。
私は、大学の講義でベーシック・インカムという政策を知りました。多くの可能性を秘めている反面、反対意見も多い政策ではありますが、代表的な生産主義批判論とは異なる観点からこの政策に着目し、現代の勤労倫理の基盤に働きかける手段となり得るのではないかということをテーマとして追究してきました。
数多くの文献を読み、その上で様々な人の意見を聞きながら考察を深める研究でしたので、世代を超えて、社会人経験のある方とも意見を交換することができる大学院の環境は、とても有意義なものとなりました。
大学院修了後は社会福祉協議会に就職し、今は地域福祉コーディネーターとして働いています。毎日のように地域の方々と接し、暮らしの中での悩みや困難さを聞きながら、既存制度の狭間にある方々がどうすればより良い生活を送れるようになるのか、私自身、悩み、考え、葛藤する毎日です。
学生時代、「こんな世の中になれば良い」と考え、追究していた理想と現実は全く違いますが、今同じテーマで研究を進めれば、また違った視点から、さらに議論を深めていけるのではないかと思っています。
興味関心を追求する充実感を経験し
自分らしさを発見
嵯峨 麻美さん
社会福祉学研究科
博士前期課程(臨床心理コース)
2018年3月修了
他大学の教育学部で書いた卒業論文を心理学の側面から書きたいと思い、本学研究科を受験しました。思い切った進路変更でしたが、先生方、院生仲間、学部生の皆さんから新しい風として受け入れてもらい、あたたかく見守っていただきました。
修士論文にかかる研究では、中学校の先生を対象に質問紙調査を行いました。教育委員会を訪ねて調査協力の依頼をするなど、大学院生という立場を存分に活用して研究を深めることができました。また、臨床心理実習では学内外でクライエントや多職種の方々と接し、心理職に求められる役割を肌で感じることができました。
大学院修了後は、岩手県内の病院で公認心理師として働いています。カウンセリング、心理検査、デイケア、訪問看護と幅広く経験させてもらい、充実した毎日です。私にとって大学院での学びは、専門家としての技術はもちろん、自分自身の心と向き合う技術を獲得する機会にもなりました。この技術を一生磨き続けていきたいです。
大学院での学びで得た知識・多角的な視点を活かして
福祉の未来を切り拓いていきたい
二瓶 さやかさん
十文字学園女子大学 人間生活学部
人間福祉学科 准教授
社会福祉学研究科
博士後期課程
2015年3月修了
大学院に進学した動機は、少子高齢化が顕著に進む我が国において、高齢者福祉や介護福祉について、多様な視点から学びを得たいと考えたからです。大学・大学院修士課程共に異なる場で学んできましたが、岩手県立大学の先生方は温かく迎え入れてくださり、多くの事をご教授頂きました。大学院では、介護の実践を主テーマとして、高齢者施設に勤務しながら、支援者としての日々の実践と研究テーマを関連付けながら論文執筆に励みました。また、学内の様々なフィールドワークや研究活動にも参加させて頂きました。こうした経験は、研究への探究心を培うと同時に研究に取り組むうえでの知見を広げる機会ともなり、現在に続く研究活動の礎ともなりました。
大学院修了後は、大学に着任し、主に介護福祉士の養成教育に携っております。また、研究活動も海外に視野を広げ、大学院での研究成果を発展させる形で継続しています。大学院での学びを今後も多様に活かし、福祉に関わる一員として、人々の「幸せ」について考え、社会に寄与できるよう研鑽していきたいです。大学院でご指導頂いた先生方の教育・研究活動に対する姿勢を胸に、自身の教育・研究活動にさらに精進していきたいと思います。