福祉 × 雑談
他者と共に
プロフェッショナルになる
人間福祉学科 生涯発達支援系
講師 松永 繁(まつなが しげる)
実践現場で介護福祉職が熟達(熟練・上達すること)していくためにはどのような方法があるでしょうか。ひとつは、研修会や勉強会などに参加する方法があります。その他に、実践をとおして熟達していく方法があります。
実践をとおして熟達していくために欠かせないのが「他者」の存在です。介護福祉職は、利用者の最も近くにいるため、葛藤、悩み、怒り、無力感などの「ゆらぎ」を経験することもあります。
その際、かしこまった形ではなく、休憩中や空き時間などのちょっとした時間に雑談を交わしながら同僚(先輩・同期・後輩を含む)に相談する場面が見られます。
その雑談での同僚との何気ない話が自分にとって珠玉の言葉となり、気づきを得たり、専門職としての支援の意味を問い直すなどの学びにつながります。つまり、雑談をきっかけとして学習が促され熟達化を遂げるのです。逆に、自身が雑談をとおして他者へ学びを促すきっかけをもたらすこともあります。
そうです。雑談とは単なるおしゃべりではないのです。
介護福祉職は、雑談をとおして他者とお互いに学び合いながらプロフェッショナルになっていくこともあるのです。