福祉 × 音楽
Tous sont musique
(みんな音楽)!!!
人間福祉学科 生涯発達支援系
講師 若林 一惠(わかばやし かづえ)
作家であり、森鴎外の娘としても知られる森茉莉の著書『私の美の世界』には、次のような一節があります。
音のない音、雨の音、風の音、(中略)大粒の雨、篠つくような土砂降り、木枯らしの音、tous sont musique(みんな音楽) !!!
こんなふうに身近な音を聴き、自らの内に「音楽」を感じることができたならば、私たちの日常生活はどれほど彩り豊かなものになるでしょうか。私たちは耳を澄ますという行為によって、実はいつでもさまざまな音色と出会うことができるのです。
音楽教育家のエドガー・ウィレムスは、「音楽を愛することを学ぶ」ことから始められる音楽教育を構築しました。この音楽教育は、乳児が母語を話すようになる過程に着目して構築されているため、最初に「聴く力」を育てることから始めます。「聴く力」を高めることは、音楽の楽しみの幅や奥行きを広げていくことに直結し、その蓄積はいずれ表現することの源泉にもなるでしょう。
音楽は、すべての人にとって、いつでも、どこでも、一人でも誰かとでも楽しむことのできるかけがえのないものです。皆さまも、今日から音探しの旅人になってみませんか?