福祉 × 復権(Rehabilitation)
「喪失」と向き合う態度を探す
人間福祉学科 福祉心理系
教授 中谷 敬明(なかやたかはる)
リハビリテーション(Rehabilitation)と聞くと、何を思い浮かべますか。
福祉に関心ある皆さんですので、治療/支援や対人援助職でしょうか。私は医学的リハビリテーション分野の臨床心理士として働き始めたので、身体機能の回復やそれに携わる専門職を思い浮かべていました。その臨床の中で、Rehabilitationが「復権」という意味ということを学びました。ガリレオ・ガリレイやジャンヌ・ダルクの「復権」と言うと伝わるでしょうか。Rehabilitationは、医学や法律、社会など多くの分野で使われている幅広い概念を意味する言葉です。
私は病気やケガの発症/受傷(機能の「喪失」)体験と障害(「喪失」)とともに人生を送る患者さんの話に、強い関心を持ちました。その後、犯罪被害者やそのご遺族、東日本大震災津波の被災者など、「喪失」と向き合う多くの人々のお話を聞かせてもらっています。
このような人々の体験は稀で、皆さんは「喪失」が遠い存在に感じているかもしれません。実は、誰でも「喪失」を体験していて、そのときハッと気付くものなのです。その時、あなたは「喪失」とどう向き合いますか?援助職として、どんな態度を身に付けておけばいいかを探し求めています。