岩手県立大学 社会福祉学部 岩手県立大学 社会福祉学研究科

社会福祉学研究科

福祉 × 創造
― 教員の活動紹介 ―

福祉 × 労働

柴田 徹平

働くことと福祉は車の両輪

社会福祉学科 福祉政策系
講師 柴田 徹平 (しばた てっぺい)

 日本で貧しい人は誰か。このように問われたら皆さんは何と答えますか?日本の福祉的給付である生活保護の受給者の半数以上は高齢者なので、高齢者でしょうか。
 一方で日本では働いても最低限度の生活を営むために必要な収入を得られない人々、いわゆるワーキングプアの方達が1000万人以上います。頑張って努力しても生活に必要な収入を得られない方々がいるということです。その大きな理由は労働者の4割近くを占める非正規労働者の存在があります。非正規労働者の収入は低く、貧困状態にあります。その理由は、育児との両立のため正規雇用で働けないシングルマザー、家族介護のため正規から非正規に雇用形態を変えた人、就職氷河期で正規雇用の就職できなかった人、など様々です。
 福祉という場合に、困っている人に対する支援がすぐに浮かびますが、実は働く環境の整備を進めることも福祉政策としては重要なんですね。また福祉的給付を受けている人が自立支援策によって給付を受けずに労働市場で働けるようになったが、低収入の仕事しかないため再び、福祉的給付を受けるようになったという事例が世界共通の問題になっています。
 このように福祉政策が意味を持つためには、働く環境の整備も必要なわけです。皆さんも福祉と労働の関係を一緒に考えてみませんか?

働くことと貧困の関係