福祉 × 小児医療
医療現場から考えるこどもの権利
社会福祉学科 臨床福祉系
准教授 実方 由佳(じつかた ゆか)
私の研究面での専門領域はこども家庭福祉および医療福祉ですが、ここでは、このような二重の研究上の関心をもたらしてくれた小児医療について取り上げます。
医療は病気やケガを「治す」という理由から必要とされますが、病気やケガは生活に何らかの変化をもたらすことも少なくありません。そのため、医療現場では生活への支援を得意とする「社会福祉」も求められています。
また、社会福祉は人権を保障するためのシステムであり、実践です。自分の病気について知ること、治療計画に参加すること、などといった患者への権利保障も重要です。しかし、こどもが患者となった場合、「こどもだからわからない」という理由で知る権利や参加する権利が保障されにくい傾向がありました。ただ、近年では「発達段階に応じた“わかり方”がある」という認識に基づいた権利保障の取り組みがなされています。 小児医療との出会いから「人を大切にするとはどういうことなのか」という疑問を育てたことが「現在」につながっているため、私自身は実際に人や現象、知識などに「出会う」ことに意義があると思っています。本学部が皆さんにとっての出会いの場となってくれることを願っています。