福祉 × “生きがい”

ソーシャルワークとは何か
―尊厳ある生の実現に向けて―
社会福祉学科 臨床福祉系
講師 安西 美咲(あんざい みさき)
ソーシャルワーカーの倫理綱領には「クライエントの意思決定への対応」が倫理責任として示されています。では、なぜ私たちはクライエントの意思決定に向き合い、それを支援するのでしょうか。
突然ですが、“生きがい”という言葉が、日本語に特有の表現であることはご存じですか?この言葉は「日本人の心の生活のなかで、生きる目的や意味や価値が問題にされてきたことを示している」ともいわれます。このことは、日本では古くから、人々が日々の暮らしの中で、生きる意味や価値を問い、見出してきたことを示しているのかもしれません。そして、そうした私たちの思いや意思、価値観は決して固定されるものではなく、人とのかかわりや環境の影響を受け、自らの経験を通して、絶えず揺れ動き、変化していくのです。
そう考えると、ソーシャルワークにおける“意思決定の支援”とは、単にクライエントが自ら決定できるように促すことではなく、揺れ動く思いに寄り添い、その人が「何を大切に生きたいのか」を共に見つめながら、一人ひとりの尊厳ある生の実現につなげていくことだと思うのです。私は、そうした意思決定の支援の過程は、“生きがい”へのアプローチでもあると考えています。
「生きること」を支えるソーシャルワークとは何かを問い続けることは、人を問い続けることでもあります。人と向き合うからこそ見えてくる“なぜ?”を、一緒に考えてみませんか?
